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2015年8月9日日曜日

あなたは、東芝の粉飾決算を悪だと言い切れますか?


立秋・お盆ということで、少しコラムを書いてみようと思います。

東芝の粉飾決算のニュースか駆け巡りましたね。

いろいろな正義漢が、粉飾は良くないと叩いていましたね。

ワタシは、米国が持ち株会社(正確に言えば日本にある持ち株会社を米国本社が100%株を所有している)という、いわゆる外資系のシステムインテグレータの会社に所属していました。

東芝は何月決算か存じませんが、ワタシの所属していたその外資系会社は、12月決算でした。

1Q:1月〜3月
2Q:4月〜6月
3Q:7月〜9月
4Q:10月〜12月

と、Q=クォーター「四半期」で会計年度を区切っていました。

4Q:10月〜12月は、当年度の着地と、来年度の事業計画策定の2本立てで進みます。

基本的に、来年度の事業計画は、売上も利益も、機会的に前年比15%〜20%プラスに設定されるだけです。

経営サイドからの「前年度何%プラスでいきたい」というトップダウン要請と、現場サイドからの「既存案件と新規案件見込みを合算した結果、何%プラスはできない。これくらいではどうか?というボトムアップ要請」を擦り合わせて、その中間というか、双方の言い分を聞いて着地点を見出して翌年度年度計画を確定させるのが普通。

でも、ワタシがいた会社は、トップダウンで、まさに「何とかしろ」「工夫しろ」が始まっているわけです。前年度の10月頃からですよ。

並行して当年度の4Qの追い込みでもありますから、丁度一年前のトップダウンだけで決まった「何とかしろ」「工夫しろ」という無茶な目標設定によって、世の中、年末追い込みの繁忙期に営業陣は、師走の街に、新規顧客、新規案件を求めて彷徨するわけです。

それでも、普段から御用聞きで出入りしてたり、顔を売っていたりするところは回りきっちゃっていて、行くところは顔の効かないところばかり。

そんなにうまく新規顧客、新規案件がゲットできるわけもなく、デイリー(日次)で毎日、「今日はどうだった?」「明日の見込みは?」「今日の分、どう挽回する?」と、対面で、面談で、テレビ会議で、メールで、社内SNSで攻められに攻められていく。
とにかく、具体的な指示をしないで自分の手を汚さないように漠然とした指示である「何とかしろ」「工夫しろ」が繰り返されることになります。
対面や電話ばかりですね。証拠が残らないように。

追い詰められると、ワタシのような、システム開発現場の管理職に、営業からの泣きが入ってきます。
このままだと、「いっさんのチームもワタシの営業部隊も壊滅だ。何とかしてください。このままだと破綻しちゃう。」と、ここまでくるともう脅しです。

チームには、住宅ローン抱えてるとか、子供が私学の大学に入学したばかりとか、奥さんが二人の子供を抱えていながら、なおお腹が大きい、とか。。。

管理職ってこういうピンチの時に手を汚す役割ばかりね。

開発がうまくいかなくて烈火のごとく怒ってるお客のところに行くとか、打出の小槌のような数字の捻出を嘆願されることばかり。


売上はね。契約書と契約期間があるから、どうしようもない。

売上の未達成はあきらめてもらって、コスト計上の来年度への先送り(協力会社や備品などのリース料請求書への請求書の先送り)ということしか利益を水増しする方策はない。

年度が明けて、1Qや2Qくらいは、もう新年度のフレッシュな出発などと言っておられず、これらの前年度から先送りされてきた支払いの類の帳尻合わせ。

よし。やるぞ!今年は!と言えるのは3Q(7月〜9月)くらいのもので、そんな世の中、お盆だの夏休みだのというところばかりの中で、彷徨する営業部隊。。。

ということで、うつ病発症したり、ホントに気が狂ってしまって病院送りという野戦病院のような毎年でした。

ちなみに、4Qは、米国本国からお目付け役で来日しているウエスティンホテルなど高級ホテルに滞在している毛唐たちは、12月には、たくさんのおみやげを持って米国に帰国してしまいます。

全く植民地ですね。

一方で、売上高が当年度目標を上回ったりなんぞしたら、翌年度の目標はそのまま前年比+15%とか20%ですから、年が明けてから契約です。
そんなもん4Qなんかに持ってきたら、来年度苦しい。どうせ目標を上回ったところで、賞与は、目標達成とほぼ同等にとどまるんですから意味がない。
そういう隠し玉は上司には絶対に見せない。

こんな環境におりましたので、ワタシは東芝事件で損失を被った被害者の方々に同情はしますが、こんなにも、数字、数字、株価、株価、という干からびて株価至上主義が奴隷のように、悪の手先にならざるを得ない事実は知ってて欲しいと思っています。

あなた一人が、正義を貫けますか?何が正解なのか、貫けますか?

企業人として、社会人として、人として葛藤はありませんか?

いくら言っても、わからない人には分からないでしょう。
でも、いかに軽蔑されようとも、それは、あなたが数字責任のある管理職ではないからだと思います。

【結論】
上場企業や、外資系で本国の奴隷と化している企業の、売上高・利益高の責任を持つ中間管理職になる前に、自分のキャリアパスを考えよう。

2 件のコメント:

  1. いっさん(さん)

    とてもリアリティある記事でした。公務員や規制に守られたあるいは寡占業界に属する企業ではなく、大なり小なり同質な商品・サービスを、価格のたたき合いのもとに切った張ったして売っている民間企業はどこもにたようなものでしょう。

    不特定多数に開示されるブログ上では、なかなかこれ以上は書けませんが、どこかオフ会でお会いする機会があれば、この手のネタで盛り上がれそうであります。

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    返信
    1. WATANKOさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。
      善悪をカンタンに断じるのは誰にでもできますが、いろんな事情があり、追い込んだ背景には全く触れられていないのが悲しいことです。
      コメントありがとうございます。
      またコメントください。
      今後とも弊ブログをご愛顧ください。

      削除

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